代表理事 日比野佐和子

人間の遺伝情報、生命の設計図である“ゲノム”をすべて解読する「ヒトゲノム計画」(ヒトゲノム全てを読む)は2003年4月に完了し、このゲノム解析によって得られた遺伝子情報をもとに、患者一人一人に対する最適な治療法を提供するオーダーメイド医療(プレシジョンメディスン)“個別化医療”が、これから主流になろうとしています。
このオーダーメイド医療ではゲノム解析によるDNA配列の違いをもとに、その患者にあった治療方法を選択することができるのです。

これまでの患者一人一人に対する治療は、さまざまな薬を投与した上で、その薬の反応などの経過を見ながら、各自に最適な薬を見つけるというものでしたが、この遺伝子情報を活用することで、それぞれの患者に適合した効率良く効果が得られるオーダーメイド医療を行う事が可能となったのです。

このフルゲノム解析が普及し、オーダーメイド医療が一般化することによって、患者一人一人の疾患のリスク、体質など、遺伝子情報より、その人の全情報が明らかになり、それぞれに合わせたオーダーメイドの食事、生活習慣、さらには、オーダーメイドのサプリメント、オーダーメイド化粧品といったものを効率よく取ることができる時代となるでしょう。そして、この大量の遺伝子情報を電子データ化、AI解析することによって、がんなどの疾病領域だけではなく、遺伝子が関わっているとされる多くの疾病の診断・治療、そして予防を目的としたオーダーメイド医療が可能となる時代はもう目前に迫っています。

実際に、海外では、運動(筋力、速度、瞬発力など)、感情(勇気、羞恥心、楽観、探究心、同情心、社交性など)、学習能力(記憶力、注意力、理解力、想像力など)、創造的能力、性格の傾向といった項目における遺伝子解析のサービスも提供されています。

今後、未来医療においては、遺伝子の全情報の解析データーから、患者一人一人の疾患のリスク、体質などに合わせた個別化医療だけではなく、オーダーメイドの食事、生活習慣、オーダーメイドサプリメント、オーダーメイド化粧品といった個人に適した生活スタイルを提案するといったオーダーメイドライフスタイルサービスがビジネスとして普及することが期待されます。

我々の協会では、ゲノム未来医療という観点から、自分自身の遺伝子情報から導き出された最新のデータにより、それぞれにあったライフスタイルや予防法などについて多角的に解析し、自分にとってふさわしい健康管理方法を知ることの重要性について啓蒙することを目的としています。
より健康に長寿を全うするための最新の情報を発信できればと思っています。

プロフィール

SAWAKO CLINIC x YS 統括院長